温泉せんべいとチェコの意外な関係

温泉もお菓子も楽しみたい!
温泉地の名物菓子、今回はその中で温泉せんべいを集めてみました。

 

えいけい
ろき

こんにちわ、ろき(@umaimon888)です。
お菓子屋さんに寄り道しながら旅行をするのが趣味です。

お菓子も好きだけど、温泉も大好きです。
温泉地名物のお菓子も多いので、湯めぐりと菓子めぐり、両方楽しむ旅行に行きたいです。

今回は、温泉せんべいをピックアップ。

温泉せんべい、炭酸せんべい、湯せんぺい、名前はいろいろですが、基本、小麦粉、砂糖などに、温泉の炭酸泉水を加えて型を用いて焼き上げる煎餅です。

どこもパッケージが昭和レトロで可愛いいんですよね。

起源は多説あるようですが、私が好きなのは、チェコのカルロヴィ・ヴァリにある温泉地で売られていた焼菓子を元にして作られたという説です。

このカルロヴィ・ヴァリ、映画好きにはたまらない可愛らしい温泉街なんです。
わたしは、煎餅のことは知らず、『グランド・ブダペスト・ホテル』ロケ地巡りで行きました。

 

チェコ カルロヴィ・ヴァリの温泉せんべい

カルロヴィ・ヴァリはチェコ西部の都市で、世界的にも有名な温泉保養地です。

14世紀、神聖ローマ皇帝カール4世が、狩りをしていて偶然に温泉を発見したといわれています。
ゲーテ、ベートーヴェン、ショパンなど有名人も滞在したことがあるそうです。

街中至る所温泉が噴き出し、コロナーダという飲泉所があり、たくさんの人が温泉水を飲んでいます。
飲泉用のカップもいろんな種類が売られています。
取っ手の部分がストローになっています。

温泉は、鉄の味が強く不味いです。

そして、名物がスパワッフル「オプラツキー(Lázeňská oplatka)」。

炭酸せんべいでクリームを挟んでいる。

ここのオプラツキーが日本の温泉地に伝わったという説があるんです。
炭酸せんべい発祥の店は、有馬温泉の三ツ森本舗。
明治時代から販売されているようです。

温泉につかって、旅の疲れを癒そうと思って行ったのですが、入れる浴場を見つけることができませんでした。
高級スパや療養施設、プールなんかはあったんですがね。
取りあえずプールには入ったけど、欲求不満。
とにかく飲むのがメインみたいです。

そして、カルロヴィ・ヴァリのもう一つの楽しみが、映画ロケ地。

『007 カジノ・ロワイヤル』の舞台になったホテル、グランドホテル・パップがあります。(設定は、モンテネグロだったけど)

また、直接ロケ地にはなってませんが、『グランド・ブダペスト・ホテル』では参考にされたホテルのひとつです。
『グランド・ブダペスト・ホテル』は、舞台がドイツに近い国の温泉保養地と設定も似ています。
グランドホテル・パップの裏には、ケーブルカーもあります。
見つけられなかったけど、鹿の像もあるそうです。
この映画が好きな人には、たまりません。

 

ゴーフル

このカルロヴィ・ヴァリのスパ・ワッフルを食べた時思ったのが、「ゴーフルやん」。

上野風月堂

ゴーフルは、昭和の初め、風月堂で誕生しました。

上野風月堂のHPによると、

カルルス煎餅とは今でも温泉土産でよくみかける軽い炭酸煎餅の原型となった商品です。このカルルス煎餅からさらに洋風のクリームを挟み、「ゴーフル」へと発想が生まれていったのではないでしょうか。

ゴーフル誕生秘話より

先にカルルス煎餅があり、そこから炭酸煎餅とゴーフルができたようです。

そして、このカルルス煎餅は、カルロヴィ・ヴァリのスパ・ワッフルを参考にしており、カルロヴィ・ヴァリのドイツ名「Karlsbad Carlsbad(カルルスバード)」から名づけられたようなんです。

北海道登別には、カルルス温泉という温泉地があり、それもカルルスバードからつけたそうです。

中国からきた饅頭や、ポルトガルからきたカステラや丸ぼうろ以外にも、こんなところに外国から来てしれっと前から日本のお菓子でしたみたな顔して存在しているお菓子があったんですね。
しかも、チェコ。

これだから、お菓子は追いかけると楽しいんですよ。

 

じゃぁ、カルルス煎餅の起源は?

となるんですが、残念なことに私の力じゃそこまでたどり着きませんでした。

 

温泉地の温泉入り使った名物せんべい

磯部せんべい【群馬・磯部温泉】

磯部温泉の鉱泉水、小麦粉、砂糖を使用して作った四角い薄焼きせんべい。
サクっとした歯応えに口の中では溶けるような軽い舌触りが特徴。

販売する店は複数あり。

温泉 磯部温泉
菓子名 磯部せんべい
店名 大手製菓(元祖)
住所 群馬県安中市磯部1-6-9
創業 1956年(昭和31年)
1862年(文久2年)大手萬平翁が鉱泉を利用した煎餅を作る。
1886年(明治19年)高崎ー磯部間に鉄道が施設された時、土産物として考案、販売。

 

鉱泉煎餅【栃木】

磯部(群馬)の温泉水を使用。
下野の名物として戦前から製造・販売。

山本総本店、御菓子司 松屋など

炭酸せんべい【兵庫・有馬温泉】

有馬温泉の炭酸を使用。
軽い歯ざわり・気品ある風味が特徴。

明治の時代より、この地に受け継がれる伝統的銘菓。

宝塚ー有馬間に販売する店多数。

三津森本舗

温泉 有馬温泉
菓子名 炭酸煎餅
店名 三ツ森本舗(元祖)
住所 兵庫県神戸市北区有馬町290-1
創業 明治末期、創業者三津繁松が有馬の炭酸泉を利用した煎餅を考案、販売。

 

温泉煎餅【兵庫・城崎温泉】

温泉 城崎温泉
菓子名 温泉煎餅
店名 みなとや
住所 兵庫県豊岡市城崎町湯島416
創業 江戸時代に旅館業として創業し、明治時代以降は菓子製造販売並びに土産物販売店

 

湯の花せんべい【三重・湯の山温泉】

炭酸せんべい。
程よい卵の風味とサクサクの食感が自慢。

温泉 湯の山温泉
菓子名 湯の花せんべい
店名 日の出屋製菓
住所 三重県三重郡菰野町菰野5062
創業 1957年(昭和32年)
昭和20年代、創業者が、当時手焼きだった炭酸せんべいを、リヤカーを引きながら手売りで売り歩いたのが始まり。
期間限定パッケージ「旅する寅さん湯の山温泉篇」

 

七栗せんべい【三重・榊原温泉】

榊原温泉は、恋の病を癒すいで湯として、多くの歌人に詠われてきた。
清少納言も枕草子内で「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」と称えた。

温泉 榊原温泉
菓子名 七栗せんべい
店名 有限会社 ななくり
住所 三重県津市榊原町5145
創業 30年以上
販売店 榊原温泉各旅館、ポルタひさい、ジャスコ新久居店など

 

温泉煎餅【愛媛・道後温泉】

温泉 道後温泉
菓子名 温泉煎餅
店名 玉泉堂本舗
住所 愛媛県松山市道後湯之町12-31
創業 1882年(明治15年)
販売しているのは、温泉煎餅(要予約)と潮煎餅のみ

 

湯せんぺい【長崎・小浜温泉】

進藤せんぺい店

明治初め、旧島原藩主松平公が、小浜温泉の温泉が体によいということから作らせたと伝えられている。
名物として売り出されたのは明治17年ごろ。
ほのかな甘さと、サクッと軽い歯ざわり、優しい味わいが特徴。

小浜、雲仙に販売する店多数。

温泉 小浜温泉
菓子名 湯せんぺい
店名 三宅商店
住所 長崎県雲仙市小浜町南本町25-2
創業 1910年(明治43年)
パッケージの鳥瞰図は、大正6年、初代が吉田初三郎に依頼。

進藤せんぺい店

温泉煎餅【大分】

温泉 別府の温泉
菓子名 温泉煎餅
店名 後藤製菓(臼杵煎餅が有名)
住所 大分県臼杵市深田118
創業 1919年(大正8年)
2020年発売

 

温泉は入ってない!?鉱泉せんべい

温泉地ではないけど、温泉水を使ったせんべいも各地で愛されているようです。

鉱泉せんべい【長野】

長野のお年寄りの間ではソウルフードとか?

原山製菓
1904年(明治37年)創業

カルルスせんべい

いたに萬幸堂(大阪府柏原市)

鵜の森屋(新潟県加茂市)

竹屋煎餅本舗(岐阜県大垣市)