農林水産省選定の「農山漁村の郷土料理百選」に、四国(徳島・香川・愛媛・高知)から選ばれた料理です。
「農山漁村の郷土料理百選」では、食育研究家などをふくむ8名が、約3000品の中から各県2、3品を選んでいます。
料理説明の引用:農山漁村の郷土料理百選 選定料理一覧
徳島
そば米雑炊
「そば米」とは、そばの実をゆでてから乾燥させ、皮を取り除いたものを指します。それをだし汁で煮た雑炊が「そば米雑炊」です。
源平の合戦に敗れた平家の落ち武者が東祖谷村に身を潜めた際に、都を偲んで作ったのがはじまりといわれています。
茶里庵(美馬市)
ぼうぜの姿寿司
「ぼうぜ」とは徳島県の方言で、イボダイ(東京ではエボダイ、大阪ではウボゼ、シズなどと呼ぶ地域もある)のことをさします。すだちを加えた酢飯の上に、酢でしめたぼうぜをのせて作る「押し寿司」です。酢の効果で柔らかくなっているため、頭までまるごと食べる人もいます。
徳島県における寿司の起源は平安時代。平安時代にまとめられた「延喜式」によると、阿波(現在の徳島県)から朝廷に寿司が贈られた記録があります。
ひまわり農産市(吉野川市)
香川
讃岐うどん
コシの強さが特徴のうどんです。ざるやぶっかけ、釜揚げ、季節の野菜が入ったしっぽくなど、様々な食し方が存在します。
日の出製麺所(坂出市)
あんもち雑煮
煮干しと白味噌の汁に、大根、にんじんなどを入れ、丸もちを入れて食すお雑煮。あんこ入りの餅を使うのが特徴。
白味噌を使うのは、保元の乱(1156年)に敗れ、讃岐に流された崇徳上皇のもとへ京から行き来する人々によって伝えられたといわれています。もちの中にあんを入れたのは江戸時代、「讃岐三白(塩、砂糖、木綿)」と呼ばれた名産品の砂糖を正月に楽しむため、庶民が小豆あんもちの形でこの料理に取り入れたそうです。
エビスヤ(高松市)
愛媛
宇和島鯛めし
宇和島でとれた新鮮なマダイの刺身を、だし汁、しょうゆ、酒、卵黄などで作ったタレと混ぜ、アツアツのご飯にのせ、薬味をかけて食す丼料理。
室町時代から戦国時代にかけて活躍した、村上水軍が戦中に手軽に食べられる料理として考案したのがはじまりとされます。その後、漁師の間で船上料理として受け継がれてきました。
油屋(大洲市)
じゃこ天
愛媛県の港に揚がる新鮮な小魚を骨ごと皮付きのまま、すり身にして形を整え、そのまま油で揚げます。
1615年に、宇和島藩の初代藩主の伊達秀宗が仙台から職人を呼び寄せて、かまぼこを作らせたのがはじまりだと伝わります。
道の駅ふたみ(伊予市)
高知
かつおのたたき
カツオの表面を焼いて分厚く切り、ミョウガやニンニク、ネギなどの薬味をのせて食します。初夏、若葉の頃の上り鰹(初鰹)は香り。秋、下り鰹(戻り鰹)は脂ののり。年に2回の旬を楽しめます。
明神丸(高知市)
未)皿鉢料理
高知県でとれる食材を豪快に盛り合わせた料理です。大皿に刺身、寿司、揚げ物、煮物、酢の物、果物などを盛り合わせます。
もともとは神事の供え物とされ、神様に供えた後に、分けあって食べたことがはじまりと伝わります。