全国のゆべし

ゆべしは、柚子もしくはクルミを用いた和菓子・珍味。
源平時代から、携帯食・保存食として食べられていたといわれます。
全国各地に様々な形状・味のゆべしが存在しています。

同じ名前でこんなに様々なお菓子が全国各地で作られてるのゆべしくらいじゃないでしょうか。

南のほうでは柚子が使われることが多く、北のほうでは胡桃が使われていることがおおいです。
産地の関係でしょう。

柚子は、昭和40年代までは埼玉県が主な産地。
1970年以降は高知県、徳島県などが主要産地です。

クルミの生産量は、1位長野、2位青森(2017年)。
この2県で、ほぼ99%を占めています。

北海道

くるみゆべし

東北

主に、柚子を使わないしょうゆ味のくるみゆべし。
もち米の粉に砂糖、しょうゆ、くるみなどを混ぜて蒸したもち菓子。
形は四角形のものが一般的。

秋田

「恵比寿(えびす)」がなまって「ゆべし」。
昔からお祝いの席で食べられてきた。

もち米粉や、うるち米粉、小豆などを合わせて作る。
型に流すものと、生地をロールケーキのように巻くものの2タイプ。

山形

形は丸いものが多く、笹の葉に包まれ「笹ゆべし」とも呼ばれる(柏の葉にくるむものも)。
もち米粉ではなく上新粉を使うところが多い。
お祝いの席や端午の節句などで食べられてきた。

宮城

商品名 笹ゆべし
店名 御菓子老舗ひろせ
住所 宮城県仙台市宮城野区大梶2-11
創業 1909年(明治42年)   2021年1月12日閉業
特徴 笹の形をモチーフ。
ゆべし生地は、仙台味噌とまろやかな仙台醤油を使った独特の風味が特長。さらに、生地の上にくるみがちょこんとのせられ、噛むと中から黒蜜がとろりとあふれ出す。

なんと・・・

福島

餡をゆべし生地で包んだ、三角の饅頭型ものが広く知られています。
全国的にも餡を包むゆべしは福島だけらしいです。

商品名 家伝ゆべし
店名 かんのや
住所 福島県郡山市西田町大田字宮木田39
創業 1860年
特徴 薄く伸ばしたゆべし生地に餡を置き、三方をつまんで包み込み蒸し上げる。鶴が翼を広げた独特な姿。

 

 

商品名 黒ごまゆべし・くるみゆべし
店名 大黒屋
住所 福島県郡山市中町14―8
創業 1958(昭和33)年
特徴

 

 

商品名 くるみゆべし もちずり
店名 柏屋
住所 福島県郡山市中町11-8
創業 1852年(嘉永5年)
特徴

 

商品名 くるみゆべし 花雪
店名 長門屋
住所 福島県会津若松市川原町2-10
創業 1848年(嘉永元年)
特徴 たっぷりの鬼くるみ、氷餅をまとう

 

金山町の山椒ゆべし

もち米とうるち米の粉に山椒の粉を混ぜた蒸し菓子。
金山町でのみ、祝言の膳に必ずつけられた祝いの菓子。
白いかまぼこと併せて紅白を表現し、蓋松をかたどって祝う気持ちを込めた。現在も正月には用意して年始客をもてなす。

きりさんしょみたいなかんじ?

北関東

 

中部

新潟

越後ゆべし

中越・下越地区。
米粉に柚子の汁や砂糖、味噌を合わせてさお状に成形し蒸す。
14代目将軍の徳川家茂からお墨付きをもらったという銘菓。

商品名 ゆずっこ
店名 本間屋
住所 新潟県新潟市西蒲区福井1845
創業 1829(文政12)年
京都の僧侶に製法を教わったのが最初。長岡藩主に柚餅子を献上。後に、大老・井伊直弼を通じて、14代将軍徳川家茂にも献上。
長岡藩御用菓子屋
特徴 蒸し柚餅子:もち米、生の柚子、蜜というわずか3種類の原料醤油や味噌は加えらえれていない。
ねりゆべし:

糸魚川ゆべし

柚子と味噌。
九州のゆべしに近いです。

商品名 御ゆべし
店名 京屋
住所 新潟県糸魚川市本町8-7
創業 350年くらい
特徴

富山

寒天に溶き卵を入れ、醤油や砂糖で味付けをして固めたもの。
お祝いの席で食べられてきた。

石川

能登半島の丸ゆべし

中身をくり抜いた柚子のなかに味噌や米粉、砂糖などを使った生地を詰め込んで蒸す。

商品名 丸柚餅子
店名 中浦屋
住所
創業
特徴

山梨

商品名 ゆべし
店名 大野屋
住所 山梨県甲府市
創業
特徴 醤油味のくるみゆべし

長野

珍味のゆべし(長野県天龍村)
中身をくり抜いた柚子に味噌、山椒、胡桃などを詰めて、切り取った上部で蓋をする。そして、これに藁等を巻いて日陰で1か月から半年ほど乾燥させる。食べる際には藁を外して適宜に切り分け酒の肴やご飯の副食物として用いる。

古来からある料理で、江戸時代の料理書『料理物語』には酒肴としてゆべしの製法が記されている。現在でも静岡県浜松市等の山間部、和歌山県田辺市龍神村、愛媛県松山市や奈良県十津川村、長野県天龍村、岐阜県恵那市、島根県益田市などで製造されている。

 

岐阜

 

商品名 五百石ゆべし 柚っ子
店名 あずさ屋
住所 岐阜県下呂市森1501-3
創業 90余年
価格
特徴 柚子をまるごとくりぬいた中に、ごま、くるみ、みそ等を詰めて蒸し上げ、天日で約3ヵ月間乾燥、熟成させた「純自然食品」

徳川幕府の頃から続く信州の郷土食、柚子っこは酒の肴やご飯のお供にピッタリ。

近畿

奈良

十津川村のゆべし

原材料:ユズ、味噌、そば、かつお節、唐辛子、ゴマ、しそ、クルミ、しいたけ、大豆、酒…

ユズの皮を残したまま、中の果肉だけをくりぬき、上記原料をねり合せたものを中につめ、フタをかぶせる。3時間蒸し、熱が冷めたら、ひも(ネット)につるして寒風にさらす。3ヶ月ほどしっかり干したら完成。

滋養に富んだ保存食。スライスしてご飯やお酒のお供に。

商品名 ゆうべし
店名
住所
創業
価格
特徴

中国

島根

商品名 柚餅子
店名 福田家 中原店
住所  松江市中原町159番地
創業 1913年(大正2年)
2代目福田久蔵は松江の老舗盛大堂様より江戸時代から伝わる伝統銘菓「柚餅子(ゆべし)」を継承
価格 194円(2018/10/30)
特徴 柚子風味の求肥

岡山

備中のゆべし

岡山県の旧備中国は柚子の産地であったため、高梁市と矢掛町で江戸時代から地元産の柚子を用いたゆべしが製造されている。

岡山県のゆべしは形状が様々なのが特徴である。高梁のゆべしには薄い平板状のもの、薄い棒状・紐状のものを結んである形のもの、サイコロ状のもの、また上述の丸ゆべしなどがあり、矢掛のゆべしには羊羹を用いて丸ゆべしに類似した形状のもののほか、紐状のものを結んだ形のもの、上述の竹皮ゆべし(棒ゆべし)や丸ゆべしなどがある。

 

高梁のゆべし

高梁は柚の産地。現在でも高梁産の柚子が使用されることが多い。

もち米にゆずを練りこんで作る求肥のような食感で、砂糖がまぶしてあり、薄黄色・白っぽい色をしている。

かつて備中松山城下に居住した小堀遠州(備中松山城主のち近江国小室藩初代藩主)が考案したとされる。
茶人でもあり、遠州流として続いている。

 

商品名 切りゆべし
店名 ゆべしの天任堂
住所 岡山県高梁市東町1877
創業 天保年間( 1831年~1845年)
価格 袋入り320円(2018/10/21)
特徴 結びゆべし:良き縁結びを祈念し、結びの形にしたもの

丸ゆべし:

ゆねり:白味噌、生姜、柚子、砂糖で練り上げた甘味のある珍味。洋酒、パンのジャム、おでんに合う。

みそゆべし:

 

矢掛のゆべし

棒ゆべし。もち粉に細かく刻んだ柚子や味噌などを入れて蒸したもの。参勤交代の際に、殿様も召し上がられていたそうです。

柚子のヘタ付近を切り、中をくりぬき、その中に柚子風味の羊羹を練り込んで蒸した独自のもので、丸ゆべしに類似している。

羊羹の代わりに餡などを入れる等、現代風にアレンジした派生品も存在する。他にも高梁風のゆべしや味噌ゆべしなども製造されている。

商品名 吉備の雪
店名 佐藤玉雲堂
住所 岡山県小田郡矢掛町矢掛3084
創業 1830(天保元)年
先代7代目まではゆべし専門
価格
特徴 柚子風味の求肥餅。

柚べし(棒):細かく刻んだ柚子皮の蜜煮を入れた羽二重粉(餅米粉)、砂糖、白味噌を練り合わせたものを蒸気で蒸す。 板状に切り、形を整えながら、竹の皮で包む。

丸柚べし:羽二重粉(餅米粉)、砂糖、白味噌を練り合わせ、蒸気で蒸したものをくり抜いた柚子の中に入れて蒸す。 そして、1~2ヶ月の時間かけ乾燥させる。

 

四国

徳島

徳島県や長崎県壱岐市など  保存食のゆべし

柚子の皮を調味料と一緒にじっくり煮詰めたもので、伝統的な郷土料理[3]。調味料は、醤油や胡椒、砂糖や塩など味によって様々である。ご飯やお茶漬けのおかずとして食べたりする。

 

那賀町(那賀川上流)、勝浦地方、上勝

ゆずの皮を細かく刻み、砂糖としょうゆで煮詰めて甘辛く味つけをする

 

愛媛

西条市には、棒ゆべしと丸ゆべしがある。

商品名 ゆべし
店名 星加のゆべし
住所 愛媛県西条市西田甲538-2
創業 1867年(慶応3年)
価格 110g 356円(2018/10/08)
特徴 餅粉・米粉・砂糖・白味噌・柚の入った珍しい餅菓子を天然の竹皮に包み蒸したもの。

丸ゆべし:柚の中をくり抜き、その中へゆべしを入れ2~3ヶ月かけて丹念に作り上げた高級茶菓子

ゆねり:柚の皮を砂糖と醤油で煮たもの。温かいご飯、酒のつまみに合う。

九州

長崎

壱岐のゆべしは、独特な調味料。

粉砕した柚子の皮に醤油、砂糖、胡椒を加えてじっくりと煮込んだ佃煮のような保存食。長崎・壱岐だけの郷土料理。

商品名 壱州ゆべし
店名 壱岐ゆず生産組合
住所
価格
特徴 ゆずの皮のみを醤油や砂糖、唐辛子と煮込んで作られる。餅じゃない。

 

熊本

菊池一族が南北朝時代に戦の携行食にしていたという話もあり、菊池では柚餅子は昔から自宅で作ったりして、各地で行われる祭りなどで食されていた。

ゆべしの有名なお店、泉屋さんがあったのだが、私が菊池に足を踏み入れた時には、すでに閉業されていた。
菊池は、日本一薄い正観寺の松風など、なかなかお菓子の町でもあるのです。

 

商品名 柚餅子
店名 津村友宝堂
住所 熊本県菊池市隈府766
価格
特徴 竹の皮の香りを移すために皮に包んだ後蒸す

 

 

商品名 ゆべし
店名 隅倉米菓
住所 熊本県菊池市隈府216−5
価格 200円(2018/05/31)
特徴 柚子味の餅。べっとりベタベタ刃物では切れそうにない。甘すぎず美味。

 

 

商品名
店名 購入場所:ゆのまえ温泉湯楽里
住所
価格 420円(2019/03/27)
特徴 写真375 なし

 

宮崎

商品名 柚べし
社名 ムー食品
住所 宮崎県小林市真方2648
価格 170g 250円(2018/09/05)
特徴 原材料:ピーナツ、もち粉、味噌、ごま、唐辛子、柚子、三温糖(大豆、小麦を含む)

 

binary comment

商品名 ゆべし
店名 ちはる屋
住所 宮崎県児湯郡西米良村
特徴 原材料:だんご粉(もち米・うるち米)、味噌、砂糖、ゆず皮、ピーナッツ、ごま、唐辛子

宮崎のゆべしは味が濃く、唐辛子が入ってピリッとする。
お茶請けやつまみとして、ちびちびと番茶や焼酎といただくものかな。

沖縄